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自動車リサイクル AKK会宝産業インド工場を訪ねてみた! フォトギャラリー  「これからはインドの時代!」 日本のベンチャー「会宝産業」のチャレンジ

更新日:4月7日

自動車リサイクル AKK会宝産業インド工場を訪ねてみた! フォトギャラリー

 「これからはインドの時代!」 日本のベンチャー「会宝産業」のチャレンジ


 2025年2月24日、インドの首都デリー近郊の新興都市グルグラム(グルガオン)に、AKK会宝産業を訪ねました。

 デリー中心部を10時30分に出て、グルグラムで一度、休憩して約3時間。広いインドとあって、空港からほど近いイメージのグルグラムですが、地図での印象とは異なり、現地ははるかに遠いところでした。

 途中、表通りからビレッジに入る道は、なぜか片側1車線だけ水たまりになっているところもあり、対向車から思いっきり泥水をかけられました。デコボコ道が続いたと思ったら、突然まともな舗装道路になったりと、何でもあり、発展途上のインドです。

 AKK会宝産業に着くと、重くて厳重なゲートを動かして、門番が中に入れてくれました。名前・住所・訪問先などを書いて入るのは、博物館などと同じです。

 宮川裕基氏はインド側2人、日本側2人いるダイレクターの一人として、実際の現場を担当する若き取締役です。

 1992年4月、滋賀県に生まれた宮川氏は、京都の大学に進学。大学院を経て、石川県金沢市の自動車リサイクル業「会宝産業株式会社」(近藤高行社長)の海外事業部に就職しました。

 いまでこそ、自動車リサイクル業はSDGs(持続可能な開発目標)、環境関連産業として脚光を浴びていますが、入社した2017年当時は、家族をはじめ周囲から「大学院を出て、何で? 親不幸もの」と言われたということです。

 事実、大学でロボット工学やハイテクを学んでいた彼自身、将来はロボットなどハイテクを用いたモノづくりをしたいと考えていました。

 そんな将来が変わったのは、在学中に訪ねた東ティモールでの2カ月間でした。アメリカと日本という先進国しか知らなかった彼は、在学中にもっと世界を見てみたいと考えて「トデタテ!留学JAPAN」という文部科学省の留学プログラムにチャレンジ。その一期生としてフランスの大学院に交換留学し、ロボット工学を学んだ後、東ティモールで2カ月間のインターンを経験したのです。

 東ティモールに行ってみれば、ロボットどころではありません。電気はない、エアコンも、冷蔵庫もないのが当たり前。そんな東ティモールの街は、どこもゴミだけはあふれていました。

 それらのゴミを見て「モノづくりの成れの果てが、こんな感じなのか!」と、衝撃を受けた彼は「モノづくりって、何なんだろう」と考えたのです。そして、モノづくりについて改めて考え直した結果、ビジネスとしてのリサイクルに取り組んでいる会宝産業という会社があることを知ったということです。

 日本で自動車の解体をはじめ、一通りの仕事を身につけて、2021年12月にインドに赴任。合弁相手のアビシェイクグループは、自動車のシートベルトやエアバックなどの製造メーカーです。

 2022年5月の工場竣工式には、来賓としてインドの道路交通大臣とハリヤナ州首相が参列しています。それこそ日本とインドとの合弁企業に対する期待の現れです。

 竣工式では近藤社長も「インドにおける環境配慮型リサイクル事業を展開し、今後3年以内にインド全土で7拠点の工場設置を目指していく」と語っていたとのことです。

 人口世界一のインドは、2024年に世界第3位の自動車生産国になっています。

 明るい未来は描かれていても、そこは何でもありのインドです。

 工場には約30名の従業員が働いていますが、当初から日本人は宮川氏一人とのこと。

 インドでの事業の大変さは、普通に「だまされます」という具合で「性悪説になる」とボヤきつつ、世界を見た後、今インドにいる彼は、逆に「当たり前に真面目で、チップもないのにサービスがいい。日本ってすごいなと、インドにいて実感する」と語ります。

 日本とインドの国旗をつけたジョイントベンチャーだとわかるようにしているとのことで、海外に出ていけば、企業も個人も民間外交に従事する日本の代表です。


 掲載写真について

 工場がある場所は、グルグラム都市部から、さらに開発が進められつつある周辺部。隣には緑の農地も広がっています。現在、工場が建っている場所は、もともとは緑の農地だったのです。

 日本同様、きれいに維持されている工場には毎日、バイクが約10台、自動車が月100台ほど入ってくるそうですが、まだまだ数は足りないというか、余裕があります。

 とはいえ、人件費が安いこともあり「儲かっていないわけではない」とのこと。何よりも「インドに工場があること自体に価値がある」というわけです。

「これからはインドの時代!」と、実は10年以上前から言われていました。筆者の手元にある島田卓著『超巨大市場インド』(ダイヤモンド社)は2002年1月の発行です。

 そんなインドも、ようやく中国を抜いて、世界一の人口となり、経済大国への道を歩みつつあります。「来る」とわかっていても、時間がかかるのがインドです。


 
 
 

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