「天略」の働かない時代 2025年の世界平和!?
7月5日・石破政権・トランプ・尹大統領 「小松電機産業」小松昭夫社長のいま?
「天罰」そして「天略」とは?
2024年1月1日、お屠蘇気分を吹き飛ばす能登半島地震から始まった一年は、世界的な選挙イヤーとして注目されていた。
コロナ後も、相変わらず戦争が続く中、アメリカではトランプ氏が大統領選に勝利。2025年の世界は大きく変わろうとしている。日本でもまさかの石破内閣が誕生、お隣りの韓国では、尹大統領が時代遅れの戒厳令で墓穴を掘るなど、何が起きても不思議ではない状況にある。
そんな中、再登場するトランプ大統領は、敬虔なクリスチャンであり、大統領選に勝利した後、注目すべき演説を行って、支援者たちを感動させている。日本ではほとんど伝えられてこないが、彼が強いアメリカを取り戻すと語る、その強さは信仰とともにあるということである。
演説で、彼はまるで宗教指導者のように、リベラルの名の下、民主党政権下で進行した体制崩壊の危機を救うため、アメリカ社会にかつてあった信仰を取り戻すと宣言した。その矛先は、金融・製薬企業等のエスタブリッシュメント、ディープステートにまで及ぼうしている。
様々な変化、驚きの後に始まった2025年は、ノアの方舟の21世紀版とされる大地震、大津波、大洪水に飲み込まれて、日本列島も沈没の危機に瀕すると言われている。
来る7月5日は、様々な方面から確実視されている地球の破滅の時とされる。
通常、この手の予言はそのときになってみれば、大体外れている。
人々の祈りが、天に通じてのことだが、油断は大敵である。天災は忘れたころにやってくる。そして、常に神に選ばれた者だけが生き残り、新たな新世界構築へと向かう。
それら天変地異、予言を「天罰」の結果だと思えば、それこそ人類に警告を発する「天の配剤」でもある。
「天略」とは世間的には聞き慣れない言葉だが、その意味するところは明らかであろう。
天の策略(計略)だとすれば、世界の現状、現実は、むしろ天罰覿面(てきめん)と指摘するしかないような実態を露にしている。
持続可能性が問われる21世紀の今日、天罰こそ「天略」の結果のようでもある。策略(計略)は英語でプロットである。辞書を引けば、筋書きとともに、謀(はかりごと)と出てくる。
「略」は、これまた辞書を引いて、①省くこと、簡単にすること。②謀(はかりごと/計略・知略)。③かすめとる、略奪、侵略という3つの要素を示す言葉だと分かれば、2024年の世界の実態は「天罰」=「天略」そのものである。
そして、辰(龍)に続く2025年の干支は、復活と再生を意味するという「乙巳(きのとみ)」である。
島根県を代表する企業
「天略」をネット検索すれば、同名の書籍『天略』(三和書籍)が出てくる。松江に本社を構える小松電機産業の創業者・小松昭夫社長が、自ら会得し、その行動の根幹をなす究極の思考「天略」を軸に、この類稀なる事業家の姿と歩みを浮き彫りにするものと、書籍紹介には書いてある。
本書は筆者が小松電機産業について書いた『魔法の経営』(三和書籍)に続く2冊目の本である。
2013年、オランダ・ハーグにある「平和宮」建立100周年を記念して「世界のフィランソロピスト(指導的慈善事業家)20人」の選定が行われた。平和宮の寄贈者でもある実業家アンドリュー・カーネギーをはじめ、アルフレッド・ノーベル、ヘンリー・フォード、J・D・ロックフェラーに加え、テッド・ターナー、ビル・ゲイツといった古今東西知らぬ者のない者たちが選ばれたタイミングで執筆している。
その20人の中に、2人の日本人がいて、一人は立命館大学平和ミュージアムの建設に寄与した平和運動の指導者で眼科医の中野信夫氏(故人)、そしてもう一人が小松昭夫・小松電機産業社長である。
シートシャッター・ハッピーゲート「門番」、水管理システム「やくも水神」を、事業の2本柱にして、人間自然科学研究所の平和事業を行う。その経営手腕は、特別の才覚があってのことだと、誰しも認めざるを得ない。
同社が島根県を代表する企業であることも、県の玄関口・出雲空港のもっとも目立つ出口正面に、小松電機産業・人間自然科学研究所の広告板が掲げられていることでもわかるはずだ。その先にある出雲大社の広告が、すっきりして大した説明文句がないのと対照的に、ビッシリと製品などの写真とともに説明書きが満載である。
階段かエスカレーターで降りていくのだから、文字を追う余裕はないのだが、自社のあらゆる点に、創業者の思いを盛り込む。仮にプロのアートディレクター、デザイナーが見れば、広告は論外の出来あがりだが、それこそが小松社長の真骨頂とも言える。
そのやり方を「魔法の経営」と称したわけだが、成功体験が強烈なこともあり、仮に広告のデザインをオシャレでいま風なものにしたとすれば、事業の行く末はさておき、それはもう別の会社になるしかないということだ。
事実、その原点である「何でも自分でやる」「人に任せられない」という、よくある中小企業経営者の在り方を、決して離れることはない。それこそ、経営者としては、最大の欠陥となる後継者がいない理由でもある。
だが、創業者が会社を去っても、おそらく事業は順調に進んでいく。それも「魔法の経営」の一端である。
書籍の「帯」を宣伝材料にする
12月半ば、島根県の酒造会社に行く用事があったため、その前日、小松社長に会ってきた。最初の出会いが1999年だから、四半世紀を超えるつきあいである。
6月、東出雲の「石照庭園」を訪ねた際に、著者に頼まれてまとめ買いしたという書籍を贈呈された。ドイツ人の名誉教授の肩書を持つマンフレッド・クラメス氏が、自費出版したという『私が天照を信じる理由』である。
多くの著書を持つクラメス氏だが、さすがに神の世界に関わる本は、一般的な出版社では本にならなかったとか。
そのうちの一冊を「私は霊のことはわからないけど」と言って、筆者に分けてくれたわけである。
12月には、小松社長が推薦文を書いている彼の著書『プーチンの第三次世界大戦を止めるのは日本人だ』(三和書籍)を贈呈された。本の帯は日本に特有のものだと知って、しおりにもなる特製の帯を別に作製、「空の野蛮化、武器を捨てよ」「女性初のノーベル平和賞・ズットナー像世界5箇所同時建立」と、小松社長の宣伝材料にしている。
しかも、帯の裏側にも研究所のプロジェクト内容がびっしりと印刷されている。著者や出版社の意向はさておき、世界で初めての試みだと自画自賛していた。
そんな小松社長であるが、書籍自体は貴重な情報が満載されているため、筆者としてもありがたい限りである。
ちなみに、内容は「第三次世界大戦」をテーマに掲げ、世界から戦争がなくならない理由とともに、マスメディアで伝えられているロシア・ウクライナ戦争のウソを暴き、アメリカをはじめとした戦争を必要としている国の実状を明らかにしている。
ゼレンスキー大統領のインチキぶりなど、ドイツとの関わりもあって、実にわかりやすく書いてある。
平和プロジェクト、最大のチャンス
時おり松江に小松電機産業を訪ねれば、何かと得るところは大きい。しかし『魔法の経営』、『天略』の筆者とすれば、出会った当初から描いてきた出雲から世界を視野に入れた平和プロジェクトの行方が気になるところである。
「天の時、地の利、人の縁(和)」と事有るごとに口にしていたが、小松社長に限ったわけではないが、なかなか思いどおりにはいかない。
そんな中で、これぞ最大のチャンスと本人も周りも思ったのが「世界のフィランソロピスト20人」に選ばれた関係で実現したズトッナー像の製作であった。例え、世間的には無名であっても「世界の20人」に選ばれた以上、そして長年「平和」を推進してきただけに、女性初のノーベル平和賞受賞者であり「武器を捨てよ」の著者ズットナー像の製作は、平和プロジェクト推進のための貴重なツールである。
『天略』を書いたのも、平和プロジェクトに大いに期待してのことであっただが、実際にはすでに先行きに対する不安もあった。
「はじめに」には「ちょっと風変わりな小説だ」と思って読むことを薦めている。
絵空事としての未来は、案外、ズットナー像の行方が象徴しているのかもしれない。
世界平和への思いが純粋であれば、本来、どこからも断られるはずのない銅像の設置がなぜか断られる形で、小松社長の構想自体が、足止めされる結果になる。
会う度に、ズットナー像5点について、広島・沖縄・その他、世界平和の拠点に設置するとの構想を発信していた。先日も、まるで決まったかのように話していたので、すでに設置されているのかと思ったら、何のことはない。すべて断られているようだ。
陰徳とは真逆の「天略」の行方
期待も大きかっただけに、何とも残念だが、折角のチャンスが、なぜ思い通りの展開とはならないのか。理由は明らかだと言えるかもしれない。
相手側が、世界の20人に選ばれた平和の事業家とはいえ、いわば小松社長の宣伝材料にされることを見越しての判断だということだろう。
だが、自分中心の小松社長には、それがわからない。なぜ断られたのかを、真剣に考えることがないようにも思える。そして、断った相手が彼の表現では「人類の敵」になる。
同じ世界平和のための活動に関して、小松社長とは対照的な展開をしているのが、「ウエルネス@タイムス」に登場する昭和天皇の戦後処理についてのパートナー・梨本宮記念財団の梨本隆夫代表理事である。
梨本代表理事の生き方を身近で見ていると、小松社長との本質的な違いが見えてくる。
梨本代表理事は何事も陰徳を積むことに徹して、あらゆる問題に取り組んできた。すでに86歳でもあり、陰徳にも“時効”はあるとの説得に応じて「ウエルネス@タイムス」で、初めてレポートした悠仁親王のために東京都恩賜上野動物園にパンダを連れてきたことも、それまで一切、日本のメディアでは公表されていない。
同様の事例は、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際、戦利品として持ちかえった京都「耳塚」の耳などを、慰霊鎮魂の上で、韓国・北朝鮮に返還したこと。目黒佑天寺に眠る昭和天皇の韓国・北朝鮮軍人軍属の遺骨について、国交のある韓国には返還したこと。国交のない北朝鮮の遺骨はいまなお佑天寺に眠っているため、毎月15日に慰霊祭を行っていることなど別に、隠しておくような陰徳でもないが、基本的に自身の宣伝材料にすることはない。
そして、小松社長のズットナー像が設置場所が見つからないのとは対照的に、出羽三山・羽黒山境内に建立された世界平和塔の上に設置されているヤタガラス像は、シベリアの地、北方領土を望む北海道、ハワイ独立国などに設置されている。
まだまだ続く平和プロジェクト
日本の政治も変わり目にある。政党「国民国連」を結党すると、ずんぶん前から聞いているが、期待とは裏腹になかなかその姿が見えては来ない。
そんな小松社長の「天略」の行方はさておき、浜菜みやこさんがパーソナリティを務めてきたコミュニティFM「おはようサンデー」は、近年は、東京のスタジオの他、通常は松江の宍道湖畔マンションの最上階にあるスタジオから放送されていた。
小松社長の平和事業、企業戦略、商品紹介などもテーマになって、小松社長に言わせれば、全国のコミュニティFMでももっとも人気の番組だとか。リスナーにとって、彼女がラジオから語りかける声は「ベルベットボイス」としてファンが多いという。
全国のコミュニティFMの「聴取率日本一」になったとの人気ぶりに「スゴイ!」と感心していたら、急遽、2024年3月末で終了した。
要は、番組内容が偏向しているか、宣伝臭が強すぎてか、小松社長の言動が批判されてか、そのすべてが理由だと思われるが、何とも呆気ない幕切れとなった。
だが、そうした不本意な展開にもめげることなく、いまも着々と彼なりの実績づくりは続いている。
今はTBSテレビの人気番組「東京MER・走る緊急救急室」の続編が映画化されて、話題になっている。その救命救急医が乗るERカーのバックに取り付けられているのが、シートシャッターである。小松電機産業が美術協力ということで、一役買っている。
同社にとっては、テレビCMどころではない宣伝効果が得られる展開となっている。
10月には島根県・松江市の臥龍山・宗淵寺(曹洞宗)で「雷神風神昇龍図陶板」設置工事が終わり、11月の十七世晋山式、山門落慶式典が行われた。
山門に掲げられたのが、小松社長の構想により、画家・寺岡多佳氏の手で2005年に描かれた「雷神風神昇龍図」である。その絵をもとにした陶板は、徳島の大塚国際美術館の作品を作製している大塚オーミ陶業の製作になる。
山門再建の落慶を記念した銘板には「風神雷神昇龍図」施主・小松昭夫氏と刻まれている。
その他、次々と手がける平和事業の勢いは衰えることがないようだが、陰徳とは真逆の手法による小松社長の「天略」は、この混迷の時代に、なお働く気配はない。
筆者の思うところ、過剰な自己宣伝とともに、もう一つ、結果的に反日の中国、韓国に味方するが如き言動が、日本人として問題だと思われているからではないのだろうか。
いずれにしろ、小松社長の天略がどうなるのか、注目されるところである。
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